旧山梨医大のホームページにアクセスすると風俗サイトに、という話

(某所に書いたことの再掲です)

yamanashi.ac.jp や yamanashi-med.ac.jp といった名前はインターネットドメインといいます。管理している業者に定期的(1年単位など)にお金を払うことで確保できます。権利者がお金を払わず放棄したら、先着順で誰でも取得できます。数万円程度なので、風俗サイトを同じ名前で運営されても文句は言えません。

今回の場合、 ac.jp というドメインが日本の大学専用(正確には専門学校も含む)で、新たに取得した人が大学ではなかったので日本の .jp というドメインの大元を管理している団体 (JPRS)の裁定で無効にできたようです。

大学や医学関係でインターネットドメインを独自に取得してネットに情報公開しているところは多くあります。例えば、私が初期研修1年目を過ごした国立病院機構横浜医療センターは以前 yokohama-mc.com を使っていました。それが yokohama-mc.jp を使うようになり、今では yokohama.hosp.go.jp を主に使っているようです。このうち .go.jp は日本の政府機関専用ですが、 .com と .jp は誰でも取得できるドメインなので横浜医療センターが権利を放棄して(あるいは更新手続きを忘れて)第三者に取られてしまうと取り戻せません。

世界には更新されなかったドメインを取得してアダルトサイトを開設する業者が山のようにいます。元の権利者がそれなりの額のお金を払って買い戻してくれるのを期待しているのです。

ということで、一度取得したインターネットドメインの権利は使わなくなっても権利を保持し続けたほうがよい(継続費用は年1万円程度です)というのが結論です。以前使っていたドメインの権利を維持していれば、そのドメインの名前へのアクセスを今使っているものへ自動的に転送することは簡単にできます。例に挙げた横浜医療センターもそうしています。

追記: 旧山梨大と旧山梨大が合併して(新)山梨大になり yamanashi-med.ac.jp ドメインが不要になったというのがこの話の最初です。本来であれば ac.jp ドメインは1法人1ドメインしか保持できませんが、合併による特例が適用されて2002年の合併から最近まで yamanashi-med.ac.jp を維持していたようです。

今回のケースでは yamanashi-med.ac.jp ドメインを入手したのが大学でも専門学校でもなかったので無効にできたようですが、山梨という人が「学校法人山梨医療専門学校」を設立して yamanashi-med.ac.jp を申請したとしたら阻止するのは非常に難しくなります。混乱を避けるためにも山梨大は yamanashi-med.ac.jp を維持し続けた方がよかったのではないかと考えます。

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